看護師不足と言われてかなりの期間が経っているが、未だにその解決はなされていない。そればかりか2025年に向けてさらに需要が増すと試算されています。

そんな中、看護師不足を補うために人材紹介会社に高額な手数料を支払い、頭を悩ませている現状があります。

日本医師会総合政策研究機構(日医総研)によると、2016年度の手数料総額は1医療機関あたり548万円。3年間で1億円以上を支払ったとする病院もあります。決められた看護師の数を下回れば、診療報酬を減額されることもあり、それぞれの医療機関では人材確保に苦しんでいます。

広告を出しても応募がないとすることから、結局人材紹介会社に頼らざるを得なく、必要な支出と考えて取り組むしかないとした考えもある。大体、現時点では人材紹介会社経由で看護師の就業を斡旋した場合年収の20~30%程の手数料を人材紹介業者に支払わなくてはならず、これは年収を500万と考えれば、100~150万円ということになる。思った以上に人材紹介会社が手数料をとっていくのがわかる。

 さらに日医総研の調査によると、16年度までの3年間に紹介会社を通じて看護職員を採用した医療機関は、解答した844施設のうち53.3%を占める。16年度に支払った手数料総額は平均で548万円にも上り増額の一途である。

看護職員が「不足している」「今は足りているが不足することがよくある」と人材の安定性に不安を抱える医療機関は66.7%にのぼり、実際に過去3年間で看護職員の欠員が発生した医療機関は40.7%であった。

看護師の就業を支援するため、各都道府県では潜在看護師の再就業支援プログラムを設けたり、インターンシップや職場体験プログラムを設けたりしているが、まだまだその効果は基準を満たしていない。

この看護人材の充当に当てられる原資は、国民の支払う診療報酬の一部から賄われる。正確に言えば、病院の利益から支出に転嫁されるものなので、この分が病院の施設改修や新規機材の投入、サービスの拡充、または、職員への報酬として利用されれば、病院の経営は更に安定すると考える。

 
 人材紹介会社以外に看護協会やハローワークが実施する無料の紹介もあるが、それだけでは補えていないのも現状。特に、急に人材が必要になった際人材確保をスピーディーにこなしてくれる有料人材紹介の方が信頼を得ているのはなんとも悲しい話です。以前看護協会も看護協会内の人材募集に有料人材紹介を利用しているのを見たときは切なくなったものです。

 看護師にとっても転職を繰り返すのはあまり得策とは言えず、好き好んで転職しているわけではない。そこことからも、離職者の多い病院には労働環境に課題があると考え、検証し対策をしていかねばならいと考えます。

 女性で成り立つ看護職だからこそ、女性の立場を軽んじてしまうこともあるのではないでしょうか。お互い様といって我慢し合うのではなく、お互い様といいながら支え合う環境を作っていきたいですね。


【参考リンク】
日本医師会総合政策研究機構: 
  看護職員等の医療職採用に関する諸問題:アンケート調査の分析と考察